活動報告
ボランティア活動報告「NPO法人 音楽のチカラ」
2025年度児童養護施設ボランティアサポート基金「活動報告」
① ボランティア団体の紹介
私たちは「NPO法人 音楽のチカラ」です。
「奏でる人にも、聴く人にもチカラを!すべての人に音楽を」というコンセプトのもと、年齢や障がいの有無、家庭環境に関わらず、すべての人が生の音楽にふれられる社会を目指して活動しています。
主な活動は、児童養護施設や障がい者支援施設、病院、高齢者施設などにプロの演奏家を派遣し、コンサートを届けることです。また、音楽を愛する人が活躍できる場所をつくり、地域に音楽の輪を広げていくことも大切にしています。
生の音楽が持つ力で、聴く人の心を動かし、元気や勇気を届けられるよう、私たちは今日もどこかで演奏をしています♪
② ボランティア活動の魅力
音楽は世界語であり翻訳の必要はない。そこにおいては魂が魂に話しかけてくる。」
——ヨハン・セバスティアン・バッハ
この言葉を、私たちは日々の活動の中で実感しています。
これまで私たちは、発達支援センターや障がいのある子どもたちが通う施設、高齢者施設などで生演奏を届けてきました。音楽が流れ始めると、言葉を交わさずとも空気が変わり、聴く人の表情がふっとやわらかくなる瞬間があります。
声をあげて喜ぶ子、静かに涙を流す方、音に合わせて身体を動かす子どもたち。
音楽は、その人の内側にそっと語りかけ、心の奥をやさしく揺らす力を持っています。
そしてこれから、私たちは山形県内の児童養護施設にも訪問演奏にうかがう予定です。
どんな出会いがあり、どんな音楽が生まれるのか。私たち自身も楽しみにしています。
すべての子どもたちに、生の音楽とふれあう機会を——
それが、私たち「音楽のチカラ」の願いです。
③ 具体的なボランティア活動のエピソード
ある発達支援センターでの演奏会でのことです。
その日参加していた子どもたちの中に、人前に出るのが苦手で、先生のそばから離れられないお子さんがいました。最初は、私たちの演奏にも反応を示すことなく、静かに先生の背中に隠れていました。
けれど、演奏が進むにつれて、その子の表情が少しずつやわらぎ、やがて先生と一緒に立ち上がり、音楽に合わせて笑顔で体を動かしながらはしゃぎはじめたのです。
その姿を見た先生が、思わず涙を流していました。
「こんなに自然に楽しんでいる姿を見るのは、本当に久しぶりです」と、涙ながらに語ってくださった言葉が、今も忘れられません。
言葉を交わさずとも、心は通じ合える。
音楽は、まさに「魂が魂に語りかける」ものなのだと、改めて実感した出来事でした。
④ ボランティア活動を通して学んだことや、成長できたこと、得られたスキルについて
私自身、車椅子で生活をしていることもあり、ボランティア活動を通じて「見える景色」や「感じること」が、周囲の方々とは少し違っていたかもしれません。
たとえば、演奏会に来てくれた子どもたちの中に、人前に出るのが苦手で、先生の後ろにずっと隠れていたお子さんがいました。言葉を交わすことも難しい中、こちらの演奏が始まると、その子が少しずつ体を動かし、最後には一緒にはしゃいでくれたんです。その姿に、先生も保護者の方も涙を流されていました。
私自身の経験からも、障がいがある方やそのご家族・支援者が、一緒に安心して音楽を楽しむことの難しさを実感しています。段差やトイレ、案内の不足といった物理的なバリアに加え、周囲の視線や無言の圧力といった心のバリアもあります。
だからこそ、ボランティア活動では「誰一人取り残さない空間」をつくりたいと強く思うようになりました。障がいのある自分だからこそ気づけること、それを活かせる場があるというのは、私にとって大きな誇りです。
この活動を通して、「共感する力」「相手の小さな変化に気づく力」、そして「心を通わせる喜び」を学ぶことができたと感じています。
⑤ これから新しくどんなことに取り組んでいきたいか
これからは、「音楽を通じて安心してつながれる場」を、もっと広げていきたいと考えています。
現在は仙台や山形を中心に、障がいのあるお子さんや高齢の方など、音楽に触れる機会が限られている方々のもとへ演奏を届ける活動を行っていますが、今後はこの取り組みを東北全体へと広げていきたいと考えています。
また、子どもたちが演奏を「聴くだけ」ではなく、「一緒に楽しむ」「音を出す」といった体験を通して、自分の気持ちを表現したり、人とつながったりできるような場も作っていきたいと思っています。
私自身、車椅子で生活していることもあり、身の回りの環境が“当たり前”ではないことに気づかされることが多くあります。だからこそ、誰にとっても安心して過ごせる環境づくりや、目に見えないバリアにも気づけるような視点を、今後の活動に活かしていきたいと考えています。
音楽には、言葉を超えて心をつなぐ力があります。一人ひとりの背景や状況にかかわらず、音楽が「安心できる居場所」になるような場を、これからも広げていきたいです。
⑥ 児童養護施設で暮らす子どもたちの魅力について
私が以前、児童養護施設を訪れた際、印象的だったのは、子どもたちのまっすぐな眼差しと、その場のあたたかな雰囲気でした。
自分より小さな子を気にかけていたり、お友だちを思って行動していたりする姿には、日々の生活の中で育まれてきたやさしさと強さが感じられました。
また、困難な状況の中でも、自分なりに前を向こうとする姿や、ひとつひとつの出来事にまっすぐ向き合う姿勢には、大人の私たちが学ばされることが多くあります。
そんな子どもたちと、いつか音楽を通して心を通わせることができたらと願っています。その時間が、少しでも安心できるひとときになれば嬉しいです。
⑦ これからボランティアを始めようと思っている人にメッセージ
ボランティアって、最初は不安もあるかもしれません。
「自分にできることなんてあるのかな」って、私自身も思っていました。
でも、一歩踏み出して誰かのそばに立つことで、自分の中に芽生える“チカラ”があると感じるようになりました。
それは、誰かを想う気持ち、寄り添う姿勢、そして目の前の小さな笑顔に気づける力です。
そうして得られた経験やつながりは、自分自身の一生の財産になります。
それは、誰にも奪われることのない、自分だけの誇りであり、心の中でずっと輝き続けるものです。
迷っている方がいたら、ぜひその一歩を。
あなたのその行動が、誰かのチカラになり、きっとあなた自身の未来にもあたたかく残っていくと思います。

<日本児童養護施設財団からのお願い>
公益財団法人 日本児童養護施設財団は、児童養護施設で暮らす子どもたちが安心して未来へ歩めるよう、寄付や企業・地域の皆さまとともに支援活動を行っています。子どもたちの笑顔と未来を守るため、活動へのご理解・ご支援をよろしくお願いいたします。
<ご寄付を検討されている方はこちらをクリック>
【寄付】全国児童養護施設 総合寄付サイト(卒園生助成)
全国児童養護施設総合寄付サイトは、全国の児童養護施設や、卒園・退所後の子どもたちを支えるための寄付サイトです。お寄せいただいた寄付は、家賃や生活費など、子どもたちが社会で自立して暮らしていくための支援に役立てられます。
現場の声をもとに、子どもたちに本当に必要な支援を届けています。
【寄付】あしながサンタ
児童養護施設で暮らす子どもたちへクリスマスプレゼントを届ける寄付プロジェクトです。
全国から寄せられたご寄付をもとに、施設の子どもたち一人ひとりへクリスマスプレゼント代を助成し、思い出に残るクリスマスを応援しています。
オレンジの羽事業
◯オレンジの羽根募金
児童養護施設への理解を広げ、子どもたちを応援する全国啓発・募金活動です。
街頭募金や企業・学校との連携を通じて、社会的養護の現状を伝えながら、子どもたちへの継続的な支援の輪を広げています。
◯奨学金事業
児童養護施設で暮らす子どもたちの「学びたい」という想いを、寄付によって支える奨学金事業です。返済不要の奨学金を通して、進学をあきらめることなく、子どもたちが自分の夢や未来に向かって一歩を踏み出せるよう応援しています。
◯卒園生対象 企業求人サイト
もっち〜ナビは、児童養護施設の子どもたちや卒園生の就職を応援する求人サイトです。
子どもたちの背景に理解のある企業の求人を掲載し、自分に合った仕事との出会いを支えています。
求人掲載は無料。掲載を希望する企業も募集しています。(事前審査あり)
◯【開催中】日本子ども未来展
日本子ども未来展は、児童養護施設で暮らす子どもたちの作品を通して、一人ひとりの思いや感性を発信する取り組みです。全国の児童養護施設から寄せられた作品には、子どもたちの夢や希望、自由な発想が込められています。
入館は無料です。心に残った作品がございましたら、「お気持ちの入館料」で応援いただけます。
皆さまからのお気持ちは、子どもたちの未来を支える力につながります。
◯【FM 世田谷】はなわと岩崎ひろみの ON AIR もっち〜ラジオ
お笑いタレントの「はなわ」さんと女優の「岩崎ひろみ」さんがパーソナリティを務めたラジオ番組です。
子どもたちの「ワクワク」をもっと大きく膨らませることをテーマに、子育ての話題などを楽しくお届けしていました。
※現在、放送は終了していますが、過去の放送をアーカイブでお楽しみいただけます。
YouTube(広報事業)
日本児童養護施設財団の公式YouTubeチャンネルでは、全国の児童養護施設への訪問や施設長インタビュー、子どもたちからのメッセージ、財団の活動紹介など、さまざまな動画を公開しています。文章や写真だけでは伝えきれない、児童養護施設の現場の声や財団の取り組みをぜひご覧ください。
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